インスタ撮って、詩をつけて。 (第6回)
第6回目のテーマ:
インスタ撮って、詩をつけて。
インスタ、やってますか。
写真を撮ったら、
撮った写真から詩を発想する
ということを習慣にすると
どんどん詩を書く回路ができてきます。
回路ができると
見たものから詩を書くことが容易になってきます。
では、その書き方をお伝えしましょう。
書き方には幾つかポイントがあります。
① 写真の説明にならないようにする
② 写真に負けないようにする
写真だけでも、詩だけでも
楽しめるように、という気持ちで取り組みましょう。
③ 写真から連想する
たとえば、この写真から詩を作ってみましょう。
連想とは
過去に体験したことや見たもの聞いたこととの
つながりを手繰(たぐ)る
ということです。
上の写真をよく見てみましょう。
中央のお花がくっきりとして周りがボケています。
まるで一部分だけが鮮明な記憶のようですね。
花びらが白く、線が細く、可憐です
可憐な存在ではありますが、上を目指し
自分を精一杯主張している強さも感じます。
そんな人と出会ったことはありませんでしたか。
空気は澄んでいて
小さな音も聞こえてきそうです。
夜は闇に包まれ、
虫と話をしているかもしれません。
いつから咲いているのでしょう。
短い命かもしれませんが、来年もここに咲くのでしょうか。
この花が何かを話すとしたら
どんな話でしょう。
とても古い、人が気づかなかったことでしょうか。
昔、海からやってきた風が語った、
白い大きな客船の話かもしれません。
そうやっていろいろ連想してみて
材料を出していきます。
④ 花という言葉(花の名)を使わない
⑤ タイトルは最後に決める(タイトルはなくてもいい)
⑥ 気分を決める
喜怒哀楽、ということばがありますが
この花を見て
どんな気分を味あわせたいかを決めます。
「澄んでいてちょっとさみしいけど愛を感じる」
など、細かく考えてみましょう。
⑦ 書いてみる
連想した言葉やイメージを使って書いてみます。
短くてもいいので、いくつも書いてみましょう。
ボツをたくさん作るつもりで。
⑧ 書いたものを読んでみる
このとき、読者の気分で読んでみましょう。
読んでよかった! というおもしろさがあったら、
その詩を完成させてゆきます。
⑨ ⑥の気分に合わせてさらに連想し、リズム感や語感を整えていく
おもしろい、気の利いた言葉を足してみましょう。
⑩ 推敲
できた作品を読者の気分で読んで、手直しをします。
写真だけ、もう一度見てみましょう。
写真がなくなったときと、あるとき、それぞれの見え方の違いを
感じましょう。
*
山小屋からニール・ヤングの歌が聞こえてくる
だれが聴いているのだろう
誰が歌っているのだろう(ごきげんだが下手くそだ)
森の中でなくしてしまった
父の小さな腕時計のことを突然思い出した
ずっと忘れていたのに
そのとき
父は怒らなかった
時計
探してみよう
大事なものを
もう一度探そう
〈お知らせ〉札幌ポエムファクトリー(詩の講座/3500円1ドリンク付き)開催
札幌にある俊カフェで行われる、松崎義行さんによる詩の講座です。
それぞれが詩を持ち寄り、朗読し、講評しあいます。
また、時には課題曲に好きに詩をつけて「作詞体験」をしたり、テーマに合わせて即興で詩を書いたり、リレーで詩を重ねていくなどの体験も。
詩を書いたことがない方でも、興味があればどなたでも大歓迎です。
お気軽にご参加ください。
(オンラインの参加の方、リアル参加の方、いずれも前もっての原稿提出が必要です。詳しくはお問合せください)
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参加方法:直接 or オンライン(Zoom)
料金:3,500円(1ドリンク付き)
定員:8名
申し込み締切:5月26日(木)まで
イベント詳細:https://www.facebook.com/events/710364846820768/
問合せ先:俊カフェ nao0226★estate.ocn.ne.jp / 011-211-0204
《 この記事について 》
詩人として、作詞家・書籍編集者として表現活動を続ける松崎義行(別名:みちる、マツザキヨシユキ)さんによる「詩の発想法」の教室です。
《 記事一覧 》
《 松崎義行さん プロフィール 》
詩、作詞、詩の選評、本の編集。
詩のデザインレーベル oblaat(オブラート)
札幌ポエムファクトリー指導
詩のある出版社・ポエムピース株式会社
本で未来を作る? 株式会社みらいパブリッシング
2 つの出版社の 社長
1964年東京吉祥寺生まれ。15歳の時に第一詩集「童女 M-16の詩」を出版社を設立して刊行。詩の投稿雑誌「TILL」「未来創作」を創刊。またエフエム福岡、ラジオ日本、雑誌「ダ・ヴィンチ」などで詩、歌詞の選者。詩集に「NONE」「SEVEN STEPS」「バスに乗ったら遠まわり」「100万円あげる」、「10秒の詩-心の傷を治す本」「幸せは搾取されない」、ビジネスエッセイ「詩人少年、社長になる」「夢を100万回かなえる方法」(日本・韓国)。「oblaat(オブラート)」、「福島の花を広めるプロジェクト」に参加。「ここは花の島」、同名の合唱曲(谷川賢作さん作曲)、トリ音ミニアルバム「自分らしさを咲かせて」、オタクノマドとして絵本のテーマソングシリーズ「ピカ・プカ・ポン」作詞。