インスタ撮って、詩をつけて。 (第6回)

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By 編集部 / 2022.05.27

 

第6回目のテーマ:

インスタ撮って、詩をつけて。

 

 

インスタ、やってますか。

 

写真を撮ったら、

撮った写真から詩を発想する

ということを習慣にすると

どんどん詩を書く回路ができてきます。

 

回路ができると

見たものから詩を書くことが容易になってきます。

 

 

では、その書き方をお伝えしましょう。

 

書き方には幾つかポイントがあります。

 

 

① 写真の説明にならないようにする

② 写真に負けないようにする

 

写真だけでも、詩だけでも

楽しめるように、という気持ちで取り組みましょう。

 

 

③ 写真から連想する

 

たとえば、この写真から詩を作ってみましょう。

 

 

連想とは

過去に体験したことや見たもの聞いたこととの

つながりを手繰(たぐ)る

ということです。

 

上の写真をよく見てみましょう。

中央のお花がくっきりとして周りがボケています。

まるで一部分だけが鮮明な記憶のようですね。

 

花びらが白く、線が細く、可憐です

可憐な存在ではありますが、上を目指し

自分を精一杯主張している強さも感じます。

そんな人と出会ったことはありませんでしたか。

 

空気は澄んでいて

小さな音も聞こえてきそうです。

夜は闇に包まれ、

虫と話をしているかもしれません。

 

いつから咲いているのでしょう。

短い命かもしれませんが、来年もここに咲くのでしょうか。

 

この花が何かを話すとしたら

どんな話でしょう。

とても古い、人が気づかなかったことでしょうか。

昔、海からやってきた風が語った、

白い大きな客船の話かもしれません。

 

そうやっていろいろ連想してみて

材料を出していきます。

 

 

④ 花という言葉(花の名)を使わない

⑤ タイトルは最後に決める(タイトルはなくてもいい)

⑥ 気分を決める

 

喜怒哀楽、ということばがありますが

この花を見て

どんな気分を味あわせたいかを決めます。

「澄んでいてちょっとさみしいけど愛を感じる」

など、細かく考えてみましょう。

 

 

⑦ 書いてみる

 

連想した言葉やイメージを使って書いてみます。

短くてもいいので、いくつも書いてみましょう。

ボツをたくさん作るつもりで。

 

 

⑧ 書いたものを読んでみる

 

このとき、読者の気分で読んでみましょう。

読んでよかった! というおもしろさがあったら、

その詩を完成させてゆきます。

 

 

⑨ ⑥の気分に合わせてさらに連想し、リズム感や語感を整えていく

 

おもしろい、気の利いた言葉を足してみましょう。

 

 

⑩ 推敲

 

できた作品を読者の気分で読んで、手直しをします。

写真だけ、もう一度見てみましょう。

写真がなくなったときと、あるとき、それぞれの見え方の違いを

感じましょう。

 

 

 

 

 

山小屋からニール・ヤングの歌が聞こえてくる

だれが聴いているのだろう

誰が歌っているのだろう(ごきげんだが下手くそだ)

 

森の中でなくしてしまった

父の小さな腕時計のことを突然思い出した

ずっと忘れていたのに

 

そのとき

父は怒らなかった

 

時計

探してみよう

大事なものを

もう一度探そう

 

 

 

 

 

〈お知らせ〉札幌ポエムファクトリー(詩の講座/3500円1ドリンク付き)開催

 

 

札幌にある俊カフェで行われる、松崎義行さんによる詩の講座です。

それぞれが詩を持ち寄り、朗読し、講評しあいます。

また、時には課題曲に好きに詩をつけて「作詞体験」をしたり、テーマに合わせて即興で詩を書いたり、リレーで詩を重ねていくなどの体験も。

詩を書いたことがない方でも、興味があればどなたでも大歓迎です。

お気軽にご参加ください。

(オンラインの参加の方、リアル参加の方、いずれも前もっての原稿提出が必要です。詳しくはお問合せください)

 

日時:2022年5月29日(日) 16:00〜18:00

参加方法:直接 or オンライン(Zoom)

料金:3,500円(1ドリンク付き)

定員:8名

申し込み締切:5月26日(木)まで

イベント詳細:https://www.facebook.com/events/710364846820768/

問合せ先:俊カフェ nao0226★estate.ocn.ne.jp / 011-211-0204

 

 

 

この記事について

詩人として、作詞家・書籍編集者として表現活動を続ける松崎義行(別名:みちる、マツザキヨシユキ)さんによる「詩の発想法」の教室です。

 

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《 松崎義行さん プロフィール 》

詩、作詞、詩の選評、本の編集。
詩のデザインレーベル  oblaat(オブラート)
札幌ポエムファクトリー指導
詩のある出版社・ポエムピース株式会社
本で未来を作る? 株式会社みらいパブリッシング
2 つの出版社の 社長

1964年東京吉祥寺生まれ。15歳の時に第一詩集「童女 M-16の詩」を出版社を設立して刊行。詩の投稿雑誌「TILL」「未来創作」を創刊。またエフエム福岡、ラジオ日本、雑誌「ダ・ヴィンチ」などで詩、歌詞の選者。詩集に「NONE」「SEVEN STEPS」「バスに乗ったら遠まわり」「100万円あげる」、「10秒の詩-心の傷を治す本」「幸せは搾取されない」、ビジネスエッセイ「詩人少年、社長になる」「夢を100万回かなえる方法」(日本・韓国)。「oblaat(オブラート)」、「福島の花を広めるプロジェクト」に参加。「ここは花の島」、同名の合唱曲(谷川賢作さん作曲)、トリ音ミニアルバム「自分らしさを咲かせて」、オタクノマドとして絵本のテーマソングシリーズ「ピカ・プカ・ポン」作詞。

 

 

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