短い詩を書きましょう 詩の学校 ポエムファクトリー(第4回)

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By 編集部 / 2021.11.22

この連載について

詩は神聖なもの? 

特別な人にしか書けないの?

詩人として、作詞家・書籍編集者として表現活動を続ける松崎義行(別名:みちる、マツザキヨシユキ)さんによる、詩の発想法を学ぶ連載です。

 

 

 

 

第4回目のテーマ:

短い詩を書きましょう

 

 

短い詩が書けるようになると

自分が体験した(味わった)感動を

将来簡単に再生(追体験)することができます。

心に栄養を与えるサプリの1粒みたいです。

 

たとえば、好きな人の瞳に海が映っているとします。

静かなやさしい時間が流れ、久しぶりに気持ちよく笑顔になったとします。

これを、短い詩にして、

未来の自分に伝えたいとおもいました。

 

そんなとき

どうやって詩を書いたらいいでしょう。

 

書き方はいろいろありますが、

一番感動したことを

最後に持ってくると

「おち」がついて

まさに、落ち着きます。

 

好きな人の前には自分がいて

顔をみることがうれしくてたまりません。

とうぜん、好きな人の前に回り込んで

顔をよく見ようとします。

 

海を見ている好きな人の視線を

私が遮ってしまうことに気づきました。

そういえば、いつもそうであることも思い出してきました。

 

1回きりではないことが

関係が継続していることを伝えてくれるでしょう。

永遠、という感じです。

 

「私」は、いつも、そしてこれからも、

あなたの視界を遮るのです。

 

それをもモチーフに書いてみましょう。

 

あなたの瞳の海を いつも遮る私

 

という1行ができました。

 

青い色彩に包まれた2人だけの濃い世界を

表現しました。

 

でも、もちろんこれだけだと

状況がわかりません。

どうしましょう?

 

そこで、「あなたの瞳の海」のことを書くことにします。

 

海の色は空の青を映してる

 

これで、瞳の海のことを描写して

2人がいる状況が表現されました。

青空のもと、海の見える場所にいるのです。

 

合わせてみます。

 

海の色は空の青を映してる

あなたの瞳の海を いつも遮る私

 

短い詩が完成しました。

 

ポイントとしては

感動の中心(気づきやはっとしかこと、心がが開放されたこと)を

最後にもってくること。

 

ぜひためしてみてください。

 

私はこのような短い詩を「10秒の詩」と名付けて

書くことを勧めています。

 

 

 

 

 

−この連載はブログ「詩の学校 ポエムファクトリー」を元に構成しています−

 

授業の感想や質問などはこちらまでお送りください。
webkikaku@miraipub.jp (みらいパブリッシング ウェブ編集部)

 

 

 

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《 松崎義行さん プロフィール 》

詩、作詞、詩の選評、本の編集。
詩のデザインレーベル  oblaat(オブラート)
札幌ポエムファクトリー指導
詩のある出版社・ポエムピース株式会社
本で未来を作る? 株式会社みらいパブリッシング
2 つの出版社の 社長

1964年東京吉祥寺生まれ。15歳の時に第一詩集「童女 M-16の詩」を出版社を設立して刊行。詩の投稿雑誌「TILL」「未来創作」を創刊。またエフエム福岡、ラジオ日本、雑誌「ダ・ヴィンチ」などで詩、歌詞の選者。詩集に「NONE」「SEVEN STEPS」「バスに乗ったら遠まわり」「100万円あげる」、「10秒の詩-心の傷を治す本」「幸せは搾取されない」、ビジネスエッセイ「詩人少年、社長になる」「夢を100万回かなえる方法」(日本・韓国)。「oblaat(オブラート)」、「福島の花を広めるプロジェクト」に参加。「ここは花の島」、同名の合唱曲(谷川賢作さん作曲)、トリ音ミニアルバム「自分らしさを咲かせて」、オタクノマドとして絵本のテーマソングシリーズ「ピカ・プカ・ポン」作詞。

 

《 関連書籍 》

詩人と母
著者 田原・松崎義行
亡き母に捧げる、日中両国の詩人による詩&エッセイの感動競作!

 

 

 

 

10秒の詩  ─ 心の傷を治す本 ─
詩:みちる 絵:上村奈央
ロングセラー増刷出来。短い言葉が心の奥まで浸透して、傷を治します。

 

 

 

幸せは搾取されない
著者 松崎義行
詩の時間シリーズ。読みやすくて、深い詩の世界を旅してみませんか