By 笠原名々子・nanako / 2021.10.10

この連載について

ペットショップで売れ残り、”最後のセール”という札をケースに貼られていたアメショの男の子の”きなちゃん”。

元野良猫で、目と鼻に炎症を起こした状態で道端で鳴いていたところを保護された男の子の”ダンくん”。

飼い主で写真家の安西政美さんによる、陽だまりのようにやわらかい写真と詩のなかに、猫の気持ちをのぞき込むような連載です。

2週間ごと、日曜日に更新します。

きなちゃん

ダンくん

1ヶ月分の給料を超える値段。簡単に買われないよ。

残ればブリーダーへ返品。戻って喜ばれるはずないよ。

その先。“始末、処分”。もう一つの僕の未来。

僕、今、キミと居る。僕、生まれてよかったんだよね。

きまって「保護猫をおすすめします」と言われて。

僕も猫なのに、なんで“セール”なんだろう。

それでもキミは、売られていた僕を選んでくれた。

キミは僕のママだよ。僕にはキミが居てくれるんだね。