つげ義春が夢見た、ひなびた温泉の甘美な世界
著者岩本薫
価格 1899円(税込)
A5判 192ページ ソフトカバー
2023年1月12日 ISBN978-4-434-31436-0
みらいパブリッシング温泉マニアとして知られる岩本薫が、「つげ義春 × ひなびた温泉」を徹底評論!
新シリーズ「ビジュアルガイド+C(カルチャー)」の第一弾として
温泉マニアならではのディープなつげ義春評論が登場。
『ねじ式』『ゲンセンカン主人』など、
シュールで独特な作品で人気を博した漫画家・つげ義春。
彼は一時期、時代から取り残され、
侘しく寂れている「ひなびた温泉」に憑かれたように惹かれ、
ペン画や写真、紀行文などでその魅力を発表した。
それらの風景の、何がそれほどまで彼を夢中にさせたのか?
つげ義春にとって「ひなびた温泉」とは、一体何だったのか?
「ひなびた温泉」というマニアックな切り口で
つげ義春の人物像に迫ります。
本書には、20点を超えるつげ作品のイラストに加えて、
写真家・マキエマキによる、つげ義春作品をモチーフとした、
「つげ義春を巡る旅」シリーズのセルフポートレイト作品も多数掲載しました。
また、後半パートでは温泉研究家の著者による写真とともに
実在する「つげ義春的・ひなびた温泉」の魅力と楽しみ方を紹介。
マニア納得のディープな評論と、どこか不気味でクセになるつげ作品のイラスト、
そして、つげ作品の世界観をズバリ表現した数々の写真を通して
めくるめくつげワールドをご堪能ください。
【 漫画家・つげ義春 】
1960年代、独自性で一時代を画した伝説の雑誌『月刊漫画ガロ』に
『沼』『ねじ式』『ゲンセンカン主人』など、
それまで誰も描いたことにないシュールで不条理で独特な作品を次々と発表。
多くの読者に衝撃を与えた一方、「漫画を芸術に高めた」と注目を集める。
以降、寡作でありながら『義男の青春』『無能の人』などの名作を発表し、
熱狂的なファンを獲得。
87年に『別離』を発表してから事実上の休筆状態であるものの、
2020年には第47回アングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞。
2022年に日本芸術院会員に選出されたことでも注目を集め、
今もなお新しいファンを獲得し続けている。
【 写真家・マキエマキ 】
2015年秋に「愛とエロス」をテーマにしたグループ展に出展したことがきっかけで、
自撮り写真の魅力に目覚める。
「エロ」をテーマに、セーラー服、ホタテビキニ、女体盛り、
昭和のピンク映画のポスター風の作品などセルフポートレイトを発表し注目される。
最近では、場末感を残すロケーションや、つげ義春作品をモチーフにした
セルフポートレイトに取り組み、個展『マキエ式』や『マキエの叙景』を開催。
著書に『マキエマキ』『似非』『くらべるエロ』。
編集者からのコメント
ひなびた温泉とつげ義春を“偏愛”する著者による、
マニアックな評論がクセになる!
オールカラーでイラストや写真を多数掲載しているので
つげ義春ファンの方にはもちろん、
そうでない方にもつげ作品の世界観をたっぷりお楽しみいただけます。
岩本薫(いわもと かおる)
好評既刊本!
大人気シリーズ「ヘンな名湯」「もっとヘンな名湯」
「日本百ひな泉」「真夏の温泉」(いずれも、みらいパブリッシング)
作家、ひなびた温泉研究所ショチョー。
本業のコピーライターのかたわら、webマガジン「ひなびた温泉研究所」を運営。
日本全国のひなびた温泉を取材し、執筆活動をしている。
普通の温泉に飽きたらなくなってしまい、
マニアックな温泉ばかりを巡っているので、
珍湯、奇湯、迷湯など、ユニークな温泉ネタに事欠かない。
「NHK ごごナマ」「テレビ東京 よじごじDays」をはじめ、
テレビ、ラジオ、雑誌などメディアに多数登場。
著書に「ひなびた温泉パラダイス」「戦国武将が愛した名湯・秘湯」
「東京休日端っこ散歩」がある。