大切なことは小さな字で書いてある
著者谷郁雄
価格 1540円(税込)
四六変型判 176ページ
2018年12月20日 ISBN 978-4-908827-47-1
ポエムピース 全国学校図書館協議会 選定図書詩に飽きたら、また日常へと戻っていけばいい。 そのとき、少しだけ、日常が新鮮に感じられるはず。『詩の時間』シリーズ創刊!
詩の時間を生きる『詩の時間』シリーズ。
人生に詩を取り入れる、新しい鑑賞法を提案する本のスタイルです。
普段から詩に親しんでいる人も、詩はちょっと苦手という人も、
コーヒー片手にそれぞれの「詩の時間」を見つけてほしい。
詩に飽きたら、また日常へと戻っていけばいい。
そのとき、少しだけ、日常が新鮮に感じられるはず。
本文より
「コーヒー」
電子レンジが
壊れたのか
コーヒーが
温められない
何度か
やってみても
ぼくのコーヒーは
生き返らない
冷たいまま
飲み干して
自分の命のぬくもりで
コーヒーを温め直す
「25% 増し」
真っ青な空と
白銀の雲と
純金の光と
ゆるやかな時の流れ
いつか
未来の
とある一日
まだ
二人がともに
元気だった
今日のことを
ひとりぼっちで
なつかしく
思い出す日が
来るかもしれない
そう思うと
今日の
何もかもが
25% 増しの
美しさで
ぼくの心に迫ってくるのだ
谷郁雄(たに いくお)
1955 年三重県生まれ。同志社大学文学部英文学科中退。
大学在学中より詩作を始め、78 年に大学を中退後、上京。
90 年に『死の色も少しだけ』で詩人デビュー。
93 年『マンハッタンの夕焼け』が小説家の辻邦生の目にとまり、第3回ドゥマゴ文学賞の最終候補作に。
詩集に『自分にふさわしい場所』『日々はそれでも輝いて』『無用のかがやき』『思春期』『愛の詩集』『透明人間 再出発』『バンドは旅するその先へ』『バナナタニ園』他多数。
詩集の他に、自伝的エッセイ集『谷郁雄エッセイ集 日々はそれでも輝いて』などがある。
いくつかの作品は、信長貴富氏らの作曲により、合唱曲にもなっている。