希望の吐息
著者ルンルン
価格 1320円(税込)
四六判 64ページ ソフトカバー
2023年4月17日 ISBN978-4-434-31917-4
モモンガプレス読むと、不思議と身体がほぐれ、呼吸が深くなる体験型の小説
どんなことでも滑らかに、浮いたように、いつでも動ける構えができているかどうかが大切です。
「生きることは、息を長く吐くことなんですよ」
(本文より)
トラックの運転手をしている主人公。
毎日長時間労働で疲れ切っており、同僚たちはパチンコかキャバクラにばかり行っている。
ある日の帰り道、テニスコートでテニスをする人々が目に入る。
老若男女も上手い下手も問わずに、テニスを楽しんでいる人々。
特にコーチが明るい人で、生徒への声かけもしっかりしている。
主人公は、昔はインターハイの優勝候補とすら言われていたが、
テニスと縁を切った生活をして久しい。
コーチの姿を見ながら、自分はなぜこうなれなかったんだろうと思いつつ、帰宅する。
家では長くうつ病を患っている妻が眠っている。
夫の帰宅に目を覚ました妻だったが、「寝ていて。今ご飯作るから」という夫。
夫婦二人で支え合って生きてきた。
ある日会社で開かれたメンタルトレーニングの講座で、
この間見かけたテニスコーチに会う。
そして、彼と出会ったことで主人公は変わっていく。
…いや、もとに戻っていくというのか。出た息が肺の中に入っていくように…
主人公と主人公のパートナーは、ゆっくりと再生していく。
最近肩や背中が凝っている人、呼吸が浅くなっている人、
何も気にせずに深くため息をつけない人、
ゆっくり誰かの手を握ったり、なでたり、抱きしめたりしていない人。
現代に生きる、多くの吐き出せていない人へ。
編集者からのコメント
人が創作をする、小説を書く根源が描かれていると思いました。
アジア人として、東洋思想ももっと学んでみたいと思いたくなります。
こちらで描かれている呼吸法、ぜひ生活に取り入れられてはいかがでしょうか。
きっと心も呼吸も軽くなり、目の前の風景が異なってみえるかもしれません。
ぜひ、この小説の扉を開けてみてください!
ルンルン
プロテニスコーチ・研究者
1967年長崎県生まれ。
テニスコーチとして、年間千名以上の生徒を指導する中、15年前より本格的に
テニス・仕事・日常に役立つ心身相関の自然体の構えについて探求してきた。
2015年~2018年にかけて、原因不明の自律神経系の不調に悩んだ時、
東洋思想に出会い体質改善に努める中で、動きの中で全身を連動させるツボを発見し、
科学的根拠だけでは解明できないことも受け入れ、現場に役立つ研究を続けている。
大学教員を経て、この分野では唯一プロテニスコーチと研究の二役をこなしている。
「ルンルン」は妻が好きな縫いぐるみの名前です。