月曜日のショートショート【6】『姉妹のあこがれ』

連載
2020/09/21

この連載について

毎週月曜日の夜に更新される、電車ひと駅ぶんの時間で読めるショートショート。

絵本『かいじゅうガーくん』の著者でありミュージシャンでもあるマサクニさんによる不思議な世界をお届けします。

いつもの月曜日から、少しだけ別の世界へワープしてみませんか?

 

 

 

第6話

 

 

 

ふでばこから 蛍光マーカー 取り出して
机の上に並べたよ

わたしのすべて
かわいい、かわいい蛍光マーカー

 

よし、今日はこの色
ピンクのマーカー

右手でマーカー掴んだら
左の爪に1つ1つ塗っていく

 

マニキュアってこんな感じかしら
お母さんも きっと こんな感じだったよね

1つ1つの爪がピンクになっていくたびに

手を広げて
鼻歌ランラン歌っちゃう

 

うん、うん、お母さんもこんな感じだった

ちょっと油断すると色が取れちゃうから
気をつけ気をつけ塗っていく

 

あっ、

窓の外を見てみると
お姉ちゃんが 迎えにきたみたい

いそいで階段駆け降りて
わたしは向かう校庭へ

 

校門で待ってる
ずぶぬれ お姉ちゃん

わたしは、きいた

「あれ、傘は?」

「今日は傘はいらない日!雨の日ダッシュで、おうちまで帰る日にしよ!」

「雨の日ダッシュの日!?やったー!」

わたしは両手をあげて、おおはしゃぎ

 

おうちまで
走って走って走って走る

水たまり けとばし
雨を つかんで
泥を あびて

ひとっとび

 

わたしの左手からは
ピンクが流れ

わたしが走った後ろには
ピンクの道が出来ていた

 

となりでお姉ちゃんの後ろには
黄色い道が出来ていて

わたしはもっと嬉しくなった

 

それを見ていた神様が

「あれ?虹が出来てるかな?」

って勘違いして
慌てて 雨を 終わらせた

 

家まで続く
ピンクの道と
黄色い道

いつもあとから、黄色い道が寄り添っていた

 

 

 

 

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作者プロフィール

マサクニ

絵本作家。ミュージシャン。
1986 年群馬県生まれ。B型。
幼稚園教諭、絵本出版社の営業を経て現在に至る。
SNSでは、絵、詩、短編小説を更新。
自身がボーカル、作詞を担当する「アオバ」では、2017 年にマクドナルドのwebCMに出演した。

Twitter
https://twitter.com/aoba_masakuni

Instagram
https://www.instagram.com/masakuni0717/

 

マサクニさんが詩と絵を担当した物語『f』の読み聞かせ動画。よろしければこちらもお楽しみください。

絵本の詳細はこちら

2020.09.21

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