この連載について

こんにちは、絵本作家のすみくらともこです。

『わにくんのだめだめきゅうり』が6月4日に発売開始され、たくさんの方から「面白い!」「癒される〜」との嬉しいお言葉をいただいております。

そこで絵本を読んでくださった方に感謝を込めまして『わにくんのだめだめきゅうり エピソード0』を連載にてお届けしています。

今回は、第8話です。

それでは 張り切ってどうぞ!

 

 

 

 

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みらいパブリッシングの社内に入ると、
大きな窓が柔らかな冬の光を受けながら出迎えてくれました。

その先にはどこまでも続く武蔵野平野。
長崎の生まれなので、この、ただただ広がる平野というものに、いつも新鮮な驚きを感じます。
故郷から遠く離れた場所にいる不思議。

静かなオフィス。大きな本棚。そこに並んだ沢山の本たち。

社長の松崎さんをはじめ社員の皆さんが集まってくださり、
最優秀賞の表彰式をして下さいました。

流石にこれは詐欺じゃ無いかも・・・

そう思ったら途端に緊張してきました。
「面白い」とか「かわいい」とか言っていただいたのに、
緊張に絡めとられてうまく話せませんでした。

ただ、どうも本当に出版になるようだ・・・と分かりました。
細かい事務的な話をしてひとまず解散となりました。

ボーッとした頭のまま高円寺の駅に向かいました。
駅のホームに着くとすでに陽は傾き武蔵野平野はオレンジ色に染まろうとしていました。
長崎の外海に落ちる夕日を思い出しました。
隠れキリシタンの村がある断崖絶壁が夕陽の名所でした。

どうも本当に出版になるようだ・・・
こんなことってあるんだな・・・

心を落ち着かせるために電車を一本見送りました。
夕陽は色を増していきました。
多分、死ぬ前に見る走馬灯に、この日の夕陽は必ずランクインするだろうな。

西に向かってひた走る電車に揺られながら、震える体で家路につきました。

 

つづく

 

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次回もおたのしみに!

 

 

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作者プロフィール

すみくらともこ

絵本作家。長崎県生まれ。四児の母。
絵本アカデミー警固塾、水曜絵本塾にて絵本作りを学ぶ。
2017年 大島国際手作り絵本コンクール銅賞。2018年 大島国際手作り絵本コンクール奨励賞。
2019年 東京展絵本の部屋マーベラス賞。2020年 第4回絵本出版賞 最優秀賞。
豊かな感性を育む、読み聞かせのしやすい作品を目指している。
趣味は読書と線画スケッチと漫才鑑賞。

HP: https://www.sumikura.org/

すみくらさんのInstagramでも4コマ漫画を連載中

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