By 編集部 / 2021.07.18

この連載について

ペットショップで売れ残り、”最後のセール”という札をケースに貼られていたアメショの男の子の”きなちゃん”。

元野良猫で、目と鼻に炎症を起こした状態で道端で鳴いていたところを保護された男の子の”ダンくん”。

飼い主で写真家の安西政美さんによる、陽だまりのようにやわらかい写真と詩のなかに、猫の気持ちをのぞき込むような連載です。

2週間にいちど、日曜日のささやかな楽しみにどうぞ。

きなちゃん（本名 きなこ）

ダンくん（本名 暖〈ダン〉）

キミの記憶にも心にも僕はいつも居られるんだ。

ほら、キミの心に僕が居るでしょ。

住む場所はキミの家からキミの中になっただけ。

だからキミの中でも僕を撫でてほしいな。

「今まで、ごめんね」そういうキミ。

そんな事、ないよ。

僕の数年は、キミの数十年と同じ。

僕は時間が経つのが早いから。

僕を、いっぱい撫でて、声をかけて、一緒に居てくれたキミ。

だから僕は、ずっとずっと、幸せで、あたたかかったよ。

「たかが動物じゃん」そう言われても、違ったよね。

本当に家族だったんだよね。僕もそう思っていたよ。

僕、ちゃんと居るよ。キミの心の中に。あたたかいよ。

だから、ずっと一緒。

いつでも僕を見ていいからね。