詩人・谷郁雄の日々の言葉 -10-

連載
2021/04/15

この連載について

日々の暮らしの中で、感じたこと、思ったこと。

詩人の谷郁雄(たに いくお)さんが、日々から生まれた詩をつづる連載です。

毎月2回、月はじめと中頃に、コメントと未発表の詩を公開していきます。

2週間にいちど、ここでお会いしましょう。

 

 

 

・・・・・・・

 

 

ジャズミュージシャンの渡辺貞夫さんは88才のいまも現役で音楽活動を続けています。

詩人の谷川俊太郎さん、写真家の森山大道さん、みんな80代のじいさんですが、カッコよく生きています。

彼らの作品以上に、その生きる姿に共感します。

 

 

 

「帰り道」

 

買い物の
帰り道
大きな木を
ぽんぽんと
手のひらでさわった

その感触が
いまも
手のひらに
息づいている

木も
いま頃
ぼくの手のぬくもりを
思い出しているだろうか?

 

 

 

 

「レンジ」

 

心が
寒いときは

太陽も
出てないときは

台所に
行って

レンジで
チンして

凍える心を
温めなさい

 

 

 

「めんどくさい詩」

 

この世の
約束事が
めんどくさい

あー
めんどくさい
めんどくさ
めんどく
めんど
めん
め・・・

言うのも
めんどくさいから
みんな黙って
生きている

ときどき
楽しいことも
あったりするので

 

 

 

 

 

・・・・・・・

 

 

谷郁雄さんへのメッセージや詩のご感想はこちらまでお送りください。
webkikaku@miraipub.jp (みらいパブリッシング ウェブ編集部)

 

 

 

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《 谷郁雄さん プロフィール 》

1955 年三重県生まれ。同志社大学文学部英文学科中退。大学在学中より詩作を始め、78 年に大学を中退後、上京。90 年に『死の色も少しだけ』で詩人デビュー。93 年『マンハッタンの夕焼け』が小説家の辻邦生の目にとまり、第3回ドゥマゴ文学賞の最終候補作に。詩集に『自分にふさわしい場所』『日々はそれでも輝いて』『無用のかがやき』『思春期』『愛の詩集』『透明人間 再出発』『バンドは旅するその先へ』『バナナタニ園』他多数。詩集の他に、自伝的エッセイ集『谷郁雄エッセイ集 日々はそれでも輝いて』などがある。いくつかの作品は、信長貴富氏らの作曲により、合唱曲にもなっている。また、中学校の教科書の巻頭詩にも作品が選ばれている。

 

《 谷郁雄さんの本 》

大切なことは小さな字で書いてある
詩に飽きたら、また日常へと戻っていけばいい。 「詩の時間」シリーズの第1作目。

 

 

 

バナナタニ園
「楽園、ここにあります」谷郁雄の詩×吉本ばななの写真×寄藤文平の絵。ページを繰るほどに愛着がでてくる、楽園へのパスポート

 

 

 

 

 

 

2021.04.15

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